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Article: 無停電電源装置(UPS)とBCP

無停電電源装置(UPS)とBCP

無停電電源装置(UPS)とBCP

オフィスや工場で突然停電が起きたとき、いちばん困るのは「いきなり止まること」ではないでしょうか。サーバーが落ちたり、会議中の映像が切れたり、製造ラインが一瞬でも止まれば取り返しがつかないこともあります。

そこで登場するのが無停電電源装置(UPS)です。名前のとおり「電気を止めない装置」で、英語ではUninterruptible Power Supply。普段は存在を意識しませんが、いざという時にはなくてはならない設備です。

UPSとは?実は種類もさまざま

UPSとひとことで言っても方式はいくつかあります。

・オフライン方式:一番シンプルで安価。ただし切り替え時に少しの空白がある。

・ラインインタラクティブ方式:電圧を自動で補正できるので、コストと安定性のバランスが取れる。多くの中堅企業で導入されているタイプです。

・オンライン方式:インバータを通して常に給電するため瞬断がゼロ。病院やデータセンターなど、止まってはいけない現場で選ばれます。

「方式」と聞くと難しそうですが、要はどの程度の安定性を求めるかによって選び方が変わる、ということです。

BCPとは何か、そしてなぜUPSが関係するのか

ここ数年、災害やパンデミックを機にBCP(事業継続計画)という言葉を耳にする機会が増えました。平常時はあまり気にならなくても、停電や自然災害が起きると「電源をどう確保するか」が最初の課題になります。

BCPの観点から見てもUPSは重要です。停電が発生しても、UPSがあれば数分から数時間は猶予がつくれます。その間にデータ保存や安全なシャットダウンが可能になるわけです。つまり、UPSはBCPを支える“基本の装備”と言って良いでしょう。

屋外対応UPSの強み

私たちが特に力を入れているのは屋外対応のUPSです。屋外での設置は環境的に厳しく、雨や砂埃、夏の酷暑や冬の寒さに耐える必要があります。

・IP規格への対応(耐候・防塵・防水仕様 等)

・長時間バックアップ

・省メンテナンス設計

こうした特性から、公園のWi-Fi、防災無線、河川監視カメラ、避難所用電源など幅広く導入されています。一般のオフィス機器向けUPSとは違い、“社会インフラを支える役割”を果たしているのが特徴です。

導入するときに考えること

「UPSは必要か?」と迷う方もいるでしょう。その場合は、次の観点を整理するとわかりやすいです。

1.どれくらいの時間バックアップしたいか

2.どんな機器を対象にするのか(サーバー、通信機器、監視カメラなど)

3.導入コストと維持費のバランス

4.補助金や助成制度が利用できるか

一見専門的に見えますが、実際には「止められない業務」を明確にすることが出発点になります。

無停電電源装置(UPS)の価値

無停電電源装置(UPS)は、普段は“縁の下の力持ち”のような存在です。しかし停電が発生した瞬間、その価値は計り知れません。

BCPを真剣に考えるなら、UPSの導入は避けて通れません。「UPSとは何か」「BCPとはどう関わるのか」を理解した上で、もしもの停電に備えておくことが、結果として企業や自治体の信頼性を守ることにつながります。