Article: 介護施設に欠かせない「無停電電源装置」とBCP対策

介護施設に欠かせない「無停電電源装置」とBCP対策
介護施設で働く方なら、一度は「停電したらどうしよう」と不安に感じたことがあるのではないでしょうか。
真っ暗になった施設で、ナースコールや吸引機が止まってしまう…。そんな場面を想像するだけで背筋が冷たくなります。
このリスクを最小限に抑えるのが 無停電電源装置(UPS) です。停電が発生しても瞬時に切り替わり、必要な機器に電力を届け続けます。わずか数分の電源維持であっても、その間にご利用者の命を守れるかどうかが決まるケースもあります。
介護施設とBCP ― なぜ「電源」が一番の課題なのか
2024年から介護施設にも BCP(事業継続計画) が義務化されました。
書類上の計画は誰でも作れますが、実際の現場で最も大切なのは「停電してもケアを続けられるか」です。
食事や排泄のケアよりも前に、ナースコールや吸引機が動かなければ日常は成り立ちません。だからこそ「電源対策」がBCP介護の核心なのです。
UPSとは何か、現場でどう使えるのか
UPS(Uninterruptible Power Supply)=無停電電源装置の仕組みはシンプルです。
突然電圧が落ちても、バッテリーに切り替えて電力を途切れさせない。ほんの数秒の停電でも、機器の誤作動やデータ破損を防げるのが特徴です。
介護の現場では例えば――
・吸引機を使っている最中でも止まらない
・見守りカメラやセンサーが動き続ける
・発電機が立ち上がるまでの「つなぎ」として働く
といった効果があります。
導入時に押さえておきたいポイント
実際に導入するとなると、悩みどころは「どこまでUPSに任せるか」です。
・すべての機器をカバーするのか
・ナースコールや吸引機など優先度の高い部分だけなのか
また、バックアップ時間の想定も大切です。
「5分あれば発電機が稼働するから十分」と考える施設もあれば、「最低30分は持たせたい」とする施設もあります。建物の規模や利用者の状態で答えは変わるでしょう。
施設と家族の安心につながる投資
無停電電源装置を備えていると、入居者やそのご家族は「この施設なら安心」と感じます。
職員にとっても「停電しても慌てずに対応できる」という自信につながり、結果的に事故やクレームを減らせます。
つまりUPSは単なる機械ではなく、施設の信頼を支えるインフラ といえます。
停電は避けられない現実
介護施設にとって、停電は避けられない現実です。
BCP介護を実効性あるものにするには、無停電電源装置の導入が必須。
いざというときの安心を確保することは、入居者・家族・職員すべてにとって大きな価値を生みます。
「停電時にどう守るか」を真剣に考えるなら、まずUPSの導入から始めてみてはいかがでしょうか。



