
遠隔カメラが止まらないために
屋外対応UPSと、UPSバッテリー(内蔵リチウムイオン電池)の話
遠隔カメラを設置した直後は、
「しっかりと映っている」「スマホで確認できる」
それだけで、ひとまず安心してしまうことが多いと思います。
実際、導入直後に問題が出ることはあまりありません。トラブルが起きるのは、少し時間が経ってからです。
夜中に一度だけ停電した日。
雷が鳴った翌朝。
通信は生きているのに、なぜか映像が残っていない。
こうした相談は、決して珍しいものではありません。
まず整理しておきたい言葉の意味
本題に入る前に、ひとつだけ言葉を整理しておきます。
本記事でいう
「UPSバッテリー(内蔵リチウムイオン電池)」とは、
UPS本体の中に組み込まれているバッテリーのことです。
いわゆる
「小型UPS」や「バッテリー単体製品」を指しているわけではありません。
屋外対応の無停電電源装置(UPS)の筐体内部に搭載され、停電時や瞬断時に電力を支える
バックアップ用のリチウムイオン電池を意味しています。
遠隔カメラは「止まった瞬間」に価値が下がる
遠隔カメラは、映像がきれいかどうかよりも、止まらずに動き続けているかが重要です。
ところが現場では、
・短い停電
・一瞬の電圧低下
・雷による瞬断
こうした「ほんの一瞬」の出来事で、カメラや録画装置が止まってしまうことがあります。
しかも無人環境では、止まったこと自体に気づくのが遅れがちです。
あとから映像を確認しようとして、
「その時間だけ抜けている」
この状態が一番やっかいです。
原因の多くは、UPSかバッテリーの考え方
こうしたケースを詳しく聞いていくと、原因はだいたい次のどちらかに行き着きます。
・UPSを入れていない
・UPSはあるが、内蔵バッテリー容量が足りていない
特別なトラブルではありません。
電源まわりの設計が、少し足りなかっただけです。
遠隔カメラはカメラ単体では動きません。
ルーター、スイッチ、録画装置。
それらを含めたシステム全体をUPSと、UPS本体に内蔵されたバッテリーで支える必要があります。
UPSバッテリーは「非常用」だと思われがちですが
UPSという言葉から、
「長時間の停電に備えるための設備」
というイメージを持つ方も多いと思います。
ただ、遠隔カメラ用途では少し違います。
重要なのは、
・一瞬でも電源を切らさない
・電圧の揺れから機器を守る
・復旧時におかしな状態にしない
この、地味だけれど効いてくる部分です。
UPS本体に内蔵されたリチウムイオン電池は、
こうした「起きがちな小トラブル」を表に出さないための存在です。
屋外・無人環境では条件がさらに厳しくなる
屋外に設置された遠隔カメラでは、
・夏と冬の温度差
・雨や湿気
・風や粉塵
・雷サージ
といった条件を常に受け続けます。
屋外対応UPSでは、UPS本体だけでなく、内蔵バッテリーも含めてこうした環境を前提に設計されています。
たとえば、
PUPS-B1200Sでは
UPS本体に内蔵されたリチウムイオンバッテリーを
2トレイ、3トレイと増設することで、
・70W負荷で24時間以上
・140W負荷でも24時間以上
のバックアップが可能です(25℃環境)
数字だけを見ると控えめに感じるかもしれませんが、遠隔カメラ用途では十分なケースも多いはずです。
よくある失敗は「考え方が途中で止まること」
UPS選定でよくあるのは、「カメラは○Wだから、このくらいで大丈夫だろう」という考え方です。
実際には、
・ルーター
・PoEスイッチ
・録画装置
これらも含めて電力を使っています。
結果として、UPS本体に内蔵されたバッテリーが想定より早く空になってしまう、ということが起きます。
遠隔だからこそ、電源は“任せられる状態”にする
現地に人がいない。すぐに再起動できない。確認できるのは、画面の向こう側だけ。
だからこそ、
・停電時に自動で切り替わる
・電源復旧後も勝手に戻る
・記録が途切れない
この状態を作っておくことが、運用の安心感を大きく変えます。
UPSバッテリー(内蔵リチウムイオン電池)は、「何かあったときの保険」ではなく、
何も起こらない状態を作るための部品です。
遠隔カメラを、使い続けられる設備にするために
カメラの性能や価格は比較しやすいですが、電源まわりは後回しにされがちです。
ただ、長く使われている現場ほど、最終的に重視されるのは電源です。
・映らない時間を作らない
・映像を失わない
・遠隔でも不安にならない
その土台になるのが、UPS本体と、UPS本体に内蔵されたバッテリーです。
問題が起きてから考えるより、何も起きていない今の段階で整えておくこと。
それが、結果的に一番ラクで、一番安く済みます。



